マズローの欲求5段階説と憲法、QOL・ADL
1.マズローの欲求5段階説は、
①「生理的欲求」―生きていくための基本的・本能的な欲求(食べたい、寝たいなど)で、この欲求を充たせれば、次の階層「安全欲求」を求めます。
②「安全欲求」―危機を回避したい、安全・安心な暮らしがしたい(雨風をしのぐ家・健康など)という欲求が含まれます。
③「社会的欲求」(集団に属したり、仲間が欲しくなったり)を求めます。この欲求が満たされない時、人は孤独感や社会的不安を感じやすくなります。
ここまでの欲求は、外的に充たされたいという思いから出てくる欲求です。
④「尊厳欲求(承認欲求)」―(他者から認められたい、尊敬されたい)という欲求が芽生えます。ここからは外的なモノではなく、内的な心を充たしたいという欲求に変わります。
⑤「自己実現欲求」―(自分の能力を引き出し創造的活動がしたいなど)の欲求が生まれます。
ヘンダーソンの14項目だとこうなります。
<生理的ニード>憲法
1正常に呼吸する。
2適切に飲食する。
3身体の老廃物を排泄する。
4移動する、好ましい肢位を保持する。
5眠る、休息する。
6適当な衣類を選び、着たり脱いだりする。
7衣類の調節と環境の調整により、体温を正常範囲に保持する。
<安全のニード>刑法
8身体を清潔に保ち、身だしなみを整え、皮膚を保護する。
9環境の危険因子を避け、また、他者を傷害しない。
<所属と愛のニード>契約法
10他者とのコミュニケーションを持ち、情動、ニード、恐怖、意見などを表出する。
↑
低次の欲求(外的に充たされたい)
高次の欲求(内的に充たされたい)
↓
<承認のニード>行政学
11自分の信仰に従って礼拝する。
<自己実現のニード>経営学
12達成感のあるような形で仕事をする。
13遊び、あるいはさまざまな種類のレクリエーションに参加する。
14“正常”発達および健康を導くような学習をし、発見をし、あるいは好奇心を満足させる。
2.憲法上は、福祉とは、
①旧条文の憲法25条生存権「最低限度の保障」から、
②新条文の憲法13条「個人の尊厳の保障。憲法上最大限の保障を要する」という最高位の条文に改正された。
また、これは、刑法・民法90条により私人間にも適用される。
3.ADL、QOLとは、
①旧条文のADLの保障―日常生活動作(にちじょうせいかつどうさ)、ADL(英: activities of daily living)とは、食事・更衣・移動・排泄・整容・入浴など生活を営む上で不可欠な基本的行動を指す。
基本的日常生活動作(英: Basic Activity of Daily Living,BADL)、日常生活活動とも言われる。
②新条文のQOL―クオリティ・オブ・ライフ(英: quality of life、QOL)とは、一般に、ひとりひとりの人生の内容の質や社会的にみた生活の質のことを指し、つまりある人がどれだけ人間らしい生活や自分らしい生活を送り、人生に幸福を見出しているか、ということを尺度としてとらえる概念である。 QOLの「幸福」とは、身心の健康、良好な人間関係、やりがいのある仕事、快適な住環境、十分な教育、レクリエーション活動、レジャーなど様々な観点から計られる。
こうです。
4.また、看護・介護とは、
①安全
②安楽
③自立
の順で行われなければならない。
5.上記は、図に示すと、
こうなると思われます。