医学・医師と看護学・看護師の関係
1.医学と看護学の関係
1.医学は解剖・生理、病理解剖・病理生理である。紀元前460年ごろのヒッポクラテスの時代からあった。
2.看護学は、ナイチンゲールを祖とする、1900年ごろにできた新しい治療方法の1つである。
3.1900年ごろ、医学は当然あったが、非衛生的病室等により死者が大量発生し続けていた。これを、克服する新しい治療方法の1つとして看護学が誕生した。
病気を治すという点で、医学と看護学は同じ目的を持つ。しかし、手段が異なる。医学は分析的、つまり、人体を細かく薄く切っていき、より小さな人体の構造や病気の構造を解明し、病気を治す。キュアという。
看護学は、人体をそのままの状態に保ち、周囲の環境や栄養等を整備することにより、人体の持つ自然治癒力(免疫力?)で病気を治す。ケアと言う。ちょっと、東洋医学的にも見えます。
4.医学と看護学は、同じ目的を異なる手段で実現するという関係にあり、別物である。そして、当然、両方の治療方法を上手くミックスさせられれば、より早く、病気が治癒する。
こういう関係に見える。
2.医師と看護師の役割分担
1.外来も病棟も、医師は患者の患部に集中して治療する事を職務とする。
2.看護師は、その間も、患者の全体を観察し、患者の自然治癒力(免疫力・体力・バイタルサイン等)が低下していないか把握し、落ちていれば医師に報告する事を職務とする。
このように、役割分担をしているように見える。
3.例えば、看護学だと、
貧血
出血性素因
ショック
かゆみ
発疹
黄疸
発熱
喀血
吐血・下血
悪心・嘔吐
食欲不振
浮腫
不眠
咳嗽
呼吸困難
の治し方等。という、医学とは別の体系になっております。
医学―診断+治療
看護学―観察+処置
4.看護学による治療の手順
1.①症状の発見
②症状を起こす疾患名の列挙
③観察
0)バイタルサイン
1)部位
2)状態
3)性状
4)随伴症状
5)意識
6)誘因
7)検査データー
④看護
各種対応処置
こうなります。
また、医学による治療の診療とは、「診断+治療」です。
この点でも、医学と看護学では、治療の体系が異なります。
5.外来と病棟の違い
1.外来も病棟も患者の病気や怪我を治療する目的で存在する。しかし、外来は比較的軽症で自宅や施設で日常生活が出来、治療のみ病院で行うことで済む患者を対象とする。
2.病棟は、比較的重傷で、自宅や施設では日常生活が出来ない患者、24時間状態観察が必要な患者を対象とする。
この点で、外来と病棟は異なる。
6.看護計画の立て方
O―P観察Observation計画。これは必須。オブザベーション・プラン。
C-Pケア(介護・世話)計画。医療者が何の介護・世話をするかの計画。任意。
E-P教育計画。患者様自身が何をするか計画。任意。
これを提供し、患者様自身の自然治癒力を最大限引き出す事が看護計画の目的である。
実際には、診療の補助+日常生活の世話、つまり、入浴,排せつ,食事等の介護,これらに付随して行われる調理,洗濯,掃除等の家事,生活等に関する相談及び助言その他の居宅要介護者に必要な日常生活上の世話の提供である。
手順は、
こうである。
現在の日本では、医師・医学、看護師・看護学の関係が曖昧で、「知らない事は無制限に恐怖を自己増殖させる」の状態になりつづけております。
即対応されるべき内容と考えます。