α受容体とβ受容体

 

1.1950年頃、自律神経の交感神経系(間脳が支配)が出す、カテコールアミン類(ドーパミン・ノルアドレナリン・アドレナリン=米エピネフリン)の受容体にα型とβ型が存在すると発見された。

2.そして、それぞれに、作動薬・拮抗薬が開発されている。自律神経もコントロールできる時代なのです。

3.α受容体とβ受容体の存在部位

 

α1(α1A、α1B、α1D -(表皮) 血管収縮、瞳孔散大、立毛、前立腺収縮などに関与

α2(α2A、α2B、α2C -(血液凝固・神経) 血小板凝集、脂肪分解抑制のほか様々な神経系作用に関与

 

 

β1 - (心臓)心臓に主に存在し、心収縮力増大、子宮平滑筋弛緩、脂肪分解活性化に関与

β2 - (気管支・平滑筋)気管支や血管、また心臓のペースメーカ部位にも存在し、気管支平滑筋の拡張、血管平滑筋の拡張(筋肉と肝臓)、子宮の平滑筋等、各種平滑筋を弛緩させ、および糖代謝の活性化に関与

β3 - (基礎代謝)脂肪細胞、消化管、肝臓や骨格筋に存在する他、アドレナリン作動性神経のシナプス後膜にもその存在が予想されている。基礎代謝に影響を与えているとも言われている。

 

4.ノルアドレナリンが褐色脂肪細胞上のβ3受容体に結合すると、UCP1(脱共役タンパク質)が生成され、ミトコンドリアで脱共役が起こり熱が産生される。動物の冬眠時に良く見られる運動に伴わない熱産生の手段である。日本人を含めた黄色人種ではβ3受容体の遺伝子に遺伝変異が起こっていることが多く、熱を産生することが少ない反面、エネルギーを節約し消費しにくいことから、この変異した遺伝子を節約遺伝子と呼ぶことがある。

 

黄色人種の我慢強さ・勤勉さ・持久力等、よく世界でいわれている特徴の原因の1つでもあるようです。